n^5-n のすべての項に共通な最大の約数は?

整数
(1) 数列 $a_n = n^3 – n \; (n=1,2,3,\dots)$ のすべての項に共通な最大の正の約数を求めよ。
(2) 数列 $b_n = n^5 – n \; (n=1,2,3,\dots)$ のすべての項に共通な最大の正の約数を求めよ。

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(1) 解答

\[ a_2=2^3-2=6,\quad a_3=3^3-3=24 \cdots \mbox{①} \] より,すべての項に共通な約数は $6$ の約数でなければならない。
一方, \[ a_n=n^3-n=(n-1)n(n+1) \] であり,$n-1,\ n,\ n+1$ は連続する3整数であるから,この積は常に $2$ および $3$ で割り切れる。
よって $a_n$ は任意の自然数 $n$ に対して常に $6$ で割り切れる。
以上より,求める最大の正の約数は \[ 6 \hspace{5mm} \cdots (\mbox{答}) \] である。

【別解】連続する数の積をCで表すと

\[ _n \mathrm{C}_3=\frac{n(n-1)(n-2)}{3\cdot 2\cdot 1} \] を利用します。すると, 後半は次のようになります。 $2$ 個から $3$ 個を選ぶ場合の数は選びようがなく$0$ 通りで, $ _2 \mathrm{C}_3=0 $ なのですが, 念のため場合分けしておきます。
一方,$n \geqq 2 $のとき \[ _{n+1} \mathrm{C}_3=\frac{(n+1)n(n-1)}{3\cdot 2\cdot 1} \] より \[ a_n=(n-1)n(n+1) = 6 \, _{n+1} \mathrm{C}_3 \] と変形できるので, $a_1=0$ とあわせて, $a_n$ は任意の自然数 $n$ に対して常に $6$ で割り切れる。

(2) 解答

(1) と全く同じようにできます。$b_2, b_3$ そのものではなく、最大公約数がほしいので、ここでは $ b_n $ を先に因数分解しておきます。

\begin{align} n^5-n&=n(n^4-1) \\ &=n(n^2-1)(n^2+1) \\ &=(n-1)n(n+1)(n^2+1) \cdots \mbox{②} \end{align} より \[ b_2=2 \cdot 3 \cdot 5,\quad b_3=2 \cdot 3 \cdot 4 \cdot 10 \] なので, すべての項に共通な約数は \[ 2 \cdot 3 \cdot 5=30 \] の約数に限られる。
一方, \[ n^2+1=(n-2)(n+2)+5 \] なので, ②とから \begin{align} b_n &= (n-1)n(n+1)\{ (n-2)(n+2)+5 \} \\ &= (n-2)(n-1)n(n+1)(n+2)-5(n-1)n(n+1) \end{align} と変形できるが, (1)より,$3$ 連続する整数は $6$ の倍数であり,
また $5$ 連続する整数は $5$ の倍数でもあるので, \[ b_n \ \mbox{は} \ 30 \ \mbox{の倍数である。} \] 以上より,求める最大の正の約数は \[ 30 \hspace{5mm} \cdots (\mbox{答}) \] である。

【別解1】(1)と同じようにCを使うと

こんどは5連続なので \[ _n \mathrm{C}_5=\frac{n(n-1)(n-2)(n-3)(n-4)}{5 \cdot 4 \cdot 3\cdot 2\cdot 1} \] を元に変形します。
一方, $n \geqq 3 $のとき \begin{align} (n-2) & (n-1)n(n+1)(n+2)-5(n-1)n(n+1) \\ &= 5 \cdot 4 \cdot 3 \cdot 2 \cdot 1 \, _{n+2} \mathrm{C}_5 \, – 5 \cdot 3 \cdot 2 \cdot 1 \, _{n+1} \mathrm{C}_3 \\ &= 30 ( 4 \, _{n+2} \mathrm{C}_5 \, – \, _{n+1} \mathrm{C}_3 ) \end{align} と変形できるので, $b_1=0, \, b_2=30$ とあわせて, $b_n$ は任意の自然数 $n$ に対して常に $30$ で割り切れる。

【別解2】5を約数にもつことを合同式で示すと

6を約数にもつのは明らかなので、②式と合同式を使って、5を約数に持つことを示すと…。

\[ n^5-n=(n-1)n(n+1)(n^2+1) \cdots \mbox{②} \] が $5$ を約数にもつことを示す。
i) $ n\equiv 0, \pm1 \pmod{5} $ のとき, \[ (n-1)n(n+1) \equiv 0 \pmod{5}\] より, ②は $5$ を約数にもつ。
ii) $ n\equiv \pm2 \pmod{5} $ のとき、 \[ n^2+1 \equiv (\pm2)^2+1 \equiv 5 \equiv 0 \pmod{5} \] より, ②は $5$ を約数にもつ。
i), ii) より,$n^5-n$ は常に $5$ で割り切れる。

別解3 二項定理と数学的帰納法を使うと

5を約数にもつことを、数学的帰納法で示してみます。

二項定理が苦手な人は, n乗をn個の積に並べてください。

  • 二項定理はn乗をn個の積に

5乗の場合だと

\[ (a+b)^5=(a+b)(a+b)(a+b)(a+b)(a+b) \] の5個のかっこから全部 $a$を選んで掛けると $a^5$ ができます。
$a^4b$ は, 5個のかっこのうち4か所から $a$ を選ぶと $_5\mathrm{C}_4 $ 個あります。
もちろん, 5個のかっこのうち1か所から $b$ を選んでも \[ _5\mathrm{C}_1 = \frac{5}{1} = \frac{5 \cdot 4 \cdot 3 \cdot 2}{4 \cdot 3 \cdot 2 \cdot 1}= _5\mathrm{C}_4 \] なので, 同じになります。
$a^3b^2$ は, 5個のかっこのうち3か所から $a$ を選ぶと $_5\mathrm{C}_3 $ 個あります。
これを繰り返すと \begin{align} (a+b)^5 &= a^5 + _5\mathrm{C}_1 a^4b +_5\mathrm{C}_2 a^3b^2 + _5\mathrm{C}_3 a^2b^3 + _5\mathrm{C}_4 ab^4+b^5 \\ &= a^5+5a^4b+10a^3b^2+10a^2b^3+5ab^4+b^5 \end{align} となりますし, \[ (a+b)^5 = \sum_{k=0}^5 a^{5-k}b^k \] とも変形できます。
もうひとつ例を出します。 \[ (x+y)^3\] 結果はご存じでしょうが, 3乗を3個の掛け算に直します。 \[ (x+y)^3=(x+y)(x+y)(x+y) \] 今度は $y$ に注目してみます。
$ \hspace{5mm} x^3$ は「3つのかっこから $y$ を一つも選ばないとき($ _3\mathrm{C}_0$)」で, $1$ 通り
$\hspace{5mm} x^2y$ は「3つのかっこから $y$ を1個選ぶとき($ _3\mathrm{C}_1$)」で, $3$ 通り
$\hspace{5mm} xy^2$ は「3つのかっこから $y$ を2個選ぶとき($ _3\mathrm{C}_2$)」で, $3$ 通り
$\hspace{5mm} y^3$ は「3つのかっこから $y$ を3個選ぶとき($ _3\mathrm{C}_3$)」で, $1$ 通り
あります。したがって \[ (x+y)^3=_3\mathrm{C}_0 x^3+ _3\mathrm{C}_1 x^2y +_3\mathrm{C}_2 xy^2 +_3\mathrm{C}_3 y^3 = \sum_{k=0}^3 x^{3-k}y^k \] と変形できます。
\[ n^5-n \ \mbox{が} \ 5 \ \mbox{を約数にもつ} \cdots \mbox{③}\] ことを, 数学的帰納法で示す。
i) $n=1$ のとき \[ 1^5-1 =0 \] なので成り立つ。
ii) $n=k$ のとき, ③が成り立つと仮定すると \[ k^5-k=5\mathrm{N} \hspace{5mm} (\mathrm{N}\mbox{は整数})\] とおけるが, このとき \begin{align} (k+1)^5-(k+1) &= k^5+5k^4+10k^3+10k^2+5k+1-(k+1) \\ &= 5\mathrm{N}+5k^4+10k^3+10k^2+5k \\ &= 5(\mathrm{N}+k^4+2k^3+2k^2+k) \end{align} となるので, $n=k+1$ のときも③は成り立つ。
i),ii)より, 数学的帰納法によって \[ n^5-n \ \mbox{が} \ 5 \ \mbox{を約数にもつ} \] ことが証明された(証明終)。
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