方程式 2x + 11y = 5 を満たす整数 x,y のうち,100 < x + y < 500 を満たすのは何組?(日大医2023)

整数

問題

方程式 $2x + 11y = 5$ を満たす整数 $x,y$ のうち,$100 < x + y < 500$ を満たすのは何組?

mod 2 で合同式の変形をしていくと、後半の $x+y$の部分が少しやりにくくなります。

不定方程式の一般解はいろいろな表しかたがあります。

直線 $ 2x+11y=5 $ の上に整数となる点を描き直してみると、別の形の一般解を導くこともできるし、ベクトルの復習にもなります。

解答

\[ 2x+11y=5 \hspace{5mm} \cdots \mbox{①}\]

において, 2を法とする合同式を考えると

\[ y=1 \pmod 2 \]

これより

\[ y=2k+1 \hspace{3mm} (kは整数) \]

と表せる。これを①に代入すると

\begin{eqnarray}
2x+11(2k+1)&=&5 \\
2x+11 \cdot 2k+11&=&5 \\
2x+11 \cdot 2k&=&-6 \\
x&=&-11k-3
\end{eqnarray}

このとき
\[ x+y=(-11k-3)+(2k+1)=-9k-2 \]
なので,
\begin{eqnarray}
100<-9k-2<500 \\
102<-9k<502 \\
-\frac{502}{9}<k<-\frac{102}{9} \\
-55.7 \cdots <k<-11.3 \cdots
\end{eqnarray}

$k$ は整数なので,
\[ -55 \leqq k \leqq -12 \]

以上より, 求める $x, \hspace{1mm} y$の組は
\[ -12-(-55)+1=44 (\mbox{個}) \hspace{5mm} \cdots(\mbox{答})\]
ある。

【別解(考え方)】100<-9k-2<500 のkの係数のマイナスを避けると

\[ (x, y) = (-11k-3, 2k+1) \]
を$k$についてまとめ直すと
\[ (x, y) = (-3,1) +k(-11,2) \]
とできるが, これは点$(x,y)$ が点$ (-3,1) $ を通る方向ベクトル$(-11,2)$ の直線上にあることを意味する。

方向ベクトルの向きが反対になっても元の直線と並行で, かつ 点$ (-3,1) $ を通るものは, 元の直線と一致するので
\[ (x,y) = (-3,1) +k(11,-2) \]
とも表すことができます。

途中から別解

\[ (x, y) = (-11k-3, 2k+1) \]
において, $m=-k$ とおくと
\[ (x, y) = (11m-3, -2m+1) \]
このとき
\[ x+y=(11m-3)+(-2m+1)=9m-2 \]なので,
\begin{eqnarray} 100<9m-2<500 \\ 102<9m<502 \\ \frac{102}{9}<m<\frac{502}{9} \\ 11.3 \cdots <k<55.7 \cdots \end{eqnarray}
$m$ は整数なので
\[ 12 \leqq m \leqq 55 \] 以上より, 求める $x, \hspace{1mm} y$の組は
\[ 55-12+1=44 (\mbox{個}) \hspace{5mm} \cdots(\mbox{答})\]ある。

【別解(考え方)】100<-9k-2<500 の-9k-2を等差数列と見る

$100$ や $500$ になるkの値をきっちり計算せずにやります。

$k=-11$とすれば $-9k-2=97$, $k=-55$ とすれば $-9k-2=495-2$, $k=-56$ とすれば $-9k-2=(495-2)+9>500$ となるので, (日大医の入試では不要ですが)記述でも使えるようにするために $-9k-2=S(k)$ とでもして数列として扱ってみます。

【別解(途中から)】

\[ S(k) = -9k-2 \]
とおくと
\[ S(-11)=97, S(-55)=493 \]
などより
\[ \cdots > S(-56) > 500 >S(-55) > \cdots > S(-12) > 100 >S(-11) \]
なので, 求める個数は
\[ -12-(-55)+1=44 (\mbox{個}) \hspace{5mm} \cdots(\mbox{答})\]

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