【問題】赤玉3個, 白玉2個の合計5個が入った袋がある。ここから3個の玉を取り出すとき, 次の問いに答えよ。
(1)同時に3つ取り出すとき, 赤玉2個と白玉1個が出る確率を求めよ。
(2)1個ずつ取り出し, 取り出した玉はもとに戻さないとき, 赤, 赤, 白の順で玉が出る確率を求めよ。
(3)1個ずつ取り出し, 取り出した玉はもとに戻さないとき, 赤玉2個と白玉1個が出る確率を求めよ。
(4)1個ずつ取り出し, 取り出した玉をもとに戻すとき, 赤, 赤, 白の順で玉が出る確率を求めよ。
(5)1個ずつ取り出し, 取り出した玉をもとに戻すとき, 赤玉2個と白玉1個が出る確率を求めよ。
反復試行は独立試行が前提
「独立試行」は反復試行の直前に習うので, 言葉がいかついこともあり気になるかもしれないですね。簡単に触れておくと
【ポイント】「独立試行」 ・・・前におこなった試行の結果が次の試行に全く影響を与えない試行
です。取り出した玉を元に戻すと, 前に行った結果は次に影響しないので独立です。元に戻さないと次の試行に影響があるので独立ではありません。
「独立試行と反復試行の違いは何?」というところで悩んでしまう人もいますが、違うのではなくむしろ一緒。
独立試行のなかに、反復試行が含まれています。
反復試行は独立試行が前提で、独立試行の中の小さな単元と考えてかまわないです。定期試験を過ぎれば、独立試行という用語は使うことがなくなると言っても言い過ぎではないと思います。
それぞれの場面を紙上で納得できるまで実験することが大切です。
解答・解説
YouTube動画
YouTubeでこの問題を解説しています。視聴するのに21分かかりますが、詳しい解説を見てみたいかたは是非ご覧ください。
(1)解答
【考え方のポイント】「同時に」取り出すので選ぶ(C)と終わりです。並べる(P)必要はありません。
【解答】5個の玉の中から3つを同時に取り出す場合の数は
3個の赤玉から1つを取り出し, 2個の白玉から1つを取り出す場合の数は
よって, 求める確率は
不安な人は, 赤玉1個と白玉2個が出る確率を計算してみてください。3/10 になればOKです。
(2)解答
サンプルを作って実験しましょう。
【実験】袋の中から1個ずつ取り出した状態を図に描いて, 状況をおさえる。
【解答】1回目に確率 3/5 で赤玉を取り出し, 2回目に確率 2/4 で赤玉を取り出し, 3回目に確率 2/3 で白玉を取り出す確率を求めればよく
(3)では(2)の他に, 赤→白→赤 と 白→赤→赤 の場合があることに気づくとOK。細かいことかもしれないですが、登場回数の少ないほうに着目すると, 白がいつ出るか着目することになります。
(3)解答
【解答】赤, 白, 赤の順に出る確率は
白, 赤, 赤の順に出る確率は
なので, (2)の結果とから求める確率は
(4)解答
ここから独立試行の問題です。取り出した玉を元に戻すので, なんど繰り返して玉を取り出しても, 1個玉を取り出すときの確率は前のときと同じ確率になります。
【解答】1回目に確率 3/5 で赤玉を取り出し, 2回目も確率 3/5 で赤玉を取り出し, 3回目に確率 2/5 で白玉を取り出す確率を求めればよく
この式変形をみてもらうと気づく人もいると思いますが, 反復試行の確率の公式
の後ろ半分である
の部分を(4)で計算したことになります。
赤, 赤, 白のほかに玉の色の出方が全部で何通りあるかわかると, 反復試行の確率の問題である(5)も解けます。
(5)解答
【解答】白玉をいつ取り出すかに着目すると, 求める確率は
コメント