【基礎】1から4のカードを壺から1枚ずつ取り出す

【問題】壺の中に1から4までの数字が一つずつ書かれた4枚のカードが入っている。この壺からカードを1枚取り出し、その数字を見てもとの壺に戻す試行を4回行う。
(1)4回とも同じ数字のカードを取り出す確率を求めよ。
(2)取り出したカードが2種類である確率を求めよ。

YouTube動画解説

解説

(1)解答

4回とも1のカードを取り出す確率は
\[ (\frac{1}{4})^4 \]
他のカードについても同様なので、求める確率は
\[ (\frac{1}{4})^4 \cdot 4 = \frac{1}{64} \hspace{20mm} \cdots \mbox{(答)} \]

考えかた(数字から決める?形から決める)

この問題は、2017年のセンター試験追試の問題を改題したものです。

カードが3種類であれば、1と2と3などの数字をまず考えるという人と、カードが3種類だから□□△▽のように形から考える人とに大別できるのかなと感じたので、この問題を作ってみました。

センター試験は誘導に乗るのが意外と難しく、柔軟な考え方が要求されるので、一つの問題でも別のアプローチを考えてみると練習になります。

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(2)解答

取り出したカードが2種類になるのは、
i) 2枚ずつ別のカードを取り出す場合
あるいは
ii) 3枚が同じカードで、もう一枚が異なるカードである場合
である。

解答A(【方針】数字から決める)

i) 2枚ずつ別のカードを取り出す場合
数字の決め方は, 1, 2, 3, 4 から2個を選ぶと良いので
\[
{}_4 \mathrm{ C }_2 = \frac{4 \cdot 3}{2 \cdot 1} =6 \mbox{(通り)}
\]
次に, 例えば1と2を選んだときの4回の取り出し方は, 1, 1, 2, 2 の並べ方を考えることになるので, 同じものを含む順列と考えると
\[
\frac{4!}{2!2!}
\]
1(あるいは2)の場所を2か所選ぶと考えると
\[
{}_4 \mathrm{ C }_2
\]
となるので, いずれにしても 6通り。
6通りの数字の決め方のいずれに対しても, 4回の取り出し方は6通りあるので, 2枚ずつ別のカードを取り出す確率は
\[
\frac{6 \cdot 6}{4^4} = \frac{9}{64} \hspace{20mm} \cdots \mbox{①}
\]
ii) 3枚が同じカードで、もう一枚が異なるカードである場合
数字の決め方は, 1, 2, 3, 4 から2個を選ぶと良いので
\[
{}_4 \mathrm{ C }_2 = \frac{4 \cdot 3}{2 \cdot 1} =6 \mbox{(通り)}
\]
次に, 例えば1と2を選んだときの4回の取り出し方は, 1, 2, 2, 2 と1, 1, 1, 2の並べ方を考えることになるので, 同じものを含む順列と考えると
\[
\frac{4!}{3!} \times 2
\]
1回だけ出されるカードがいつ出るかを考えると, 1, 2, 2, 2 のときも1, 2, 2, 2 のときも
\[
{}_4 \mathrm{ C }_1 \mbox{(通り)}
\]
となるので, いずれにしても 8(通り)。
6通りの数字の決め方のいずれに対しても, 4回の取り出し方は8通りあるので, 3枚が同じカードで、もう一枚が異なるカードを取り出す確率は
\[
\frac{6 \cdot 8}{4^4} = \frac{3}{16} \hspace{20mm} \cdots \mbox{②}
\]
①, ②より, 求める確率は
\[
\frac{9}{64} + \frac{3}{16} = \frac{21}{64} \hspace{20mm} \cdots \mbox{(答)}
\]

解答B(【方針】形から決める)

i) 2枚ずつ別のカードを取り出す場合
(□□△△のように)4回の試行で2種類のカードが2回ずつ出るのは, 同じものを含む順列と考えると
\[
\frac{4!}{2!2!}
\]
4か所のうち, □の場所(あるいは△の場所)を2か所選ぶと
\[
{}_4 \mathrm{ C }_2
\]
となるので, いずれにしても 6通り。
この6通りすべての場合に関して, 2つの数字の選びかたが
\[
{}_4 \mathrm{ C }_2 = 6 \mbox{(通り)}
\]
あるので, 2枚ずつ別のカードを取り出す確率は
\[
\frac{6 \cdot 6}{4^4} = \frac{9}{64} \hspace{20mm} \cdots \mbox{①}
\]
ii) 3枚が同じカードで、もう一枚が異なるカードである場合
(□□□△のように)4回の試行で2種類のカードのうち一方が1回, もう一方が3回出るのは, 同じものを含む順列と考えると
\[
\frac{4!}{3!}
\]
4か所のうち, □の場所を3か所選ぶと
\[
{}_4 \mathrm{ C }_3
\]
4か所のうち, △の場所を1か所選ぶと
\[
{}_4 \mathrm{ C }_1
\]
となるので, いずれにしても 4通り。
この4通りすべての場合に関して, 2つの数字の選びかたが
\[
{}_4 \mathrm{ C }_2 = 6 \mbox{(通り)}
\]
あるが, 2つの数字のうちどちらが3回出るかを考慮しなければならないので, このときの確率は
\[
\frac{4 \cdot 6 \cdot 2}{4^4}=\frac{3}{16} \hspace{20mm} \cdots \mbox{②}
\]
①, ②より, 求める確率は
\[
\frac{9}{64} + \frac{3}{16} = \frac{21}{64} \hspace{20mm} \cdots \mbox{(答)}
\]

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