問題
方程式 2x+11y=5 を満たす整数 x,y のうち,100<x+y<500 を満たすのは何組?
mod 2 で合同式の変形をしていくと、後半の x+yの部分が少しやりにくくなります。
不定方程式の一般解はいろいろな表しかたがあります。
直線 2x+11y=5 の上に整数となる点を描き直してみると、別の形の一般解を導くこともできるし、ベクトルの復習にもなります。
解答
2x+11y=5⋯①
において, 2を法とする合同式を考えると
y=1(mod2)
これより
y=2k+1(kは整数)
と表せる。これを①に代入すると
2x+11(2k+1)=52x+11⋅2k+11=52x+11⋅2k=−6x=−11k−3
このとき
x+y=(−11k−3)+(2k+1)=−9k−2
なので,
100<−9k−2<500102<−9k<502−5029<k<−1029−55.7⋯<k<−11.3⋯
k は整数なので,
−55≦k≦−12
以上より, 求める x,yの組は
−12−(−55)+1=44(個)⋯(答)
ある。
【別解(考え方)】100<-9k-2<500 のkの係数のマイナスを避けると
(x,y)=(−11k−3,2k+1)
をkについてまとめ直すと
(x,y)=(−3,1)+k(−11,2)
とできるが, これは点(x,y) が点(−3,1) を通る方向ベクトル(−11,2) の直線上にあることを意味する。
方向ベクトルの向きが反対になっても元の直線と並行で, かつ 点(−3,1) を通るものは, 元の直線と一致するので
(x,y)=(−3,1)+k(11,−2)
とも表すことができます。
途中から別解
(x,y)=(−11k−3,2k+1)
において, m=−k とおくと
(x,y)=(11m−3,−2m+1)
このとき
x+y=(11m−3)+(−2m+1)=9m−2なので,
100<9m−2<500102<9m<5021029<m<502911.3⋯<k<55.7⋯
m は整数なので
12≦m≦55 以上より, 求める x,yの組は
55−12+1=44(個)⋯(答)ある。
【別解(考え方)】100<-9k-2<500 の-9k-2を等差数列と見る
100 や 500 になるkの値をきっちり計算せずにやります。
k=−11とすれば −9k−2=97, k=−55 とすれば −9k−2=495−2, k=−56 とすれば −9k−2=(495−2)+9>500 となるので, (日大医の入試では不要ですが)記述でも使えるようにするために −9k−2=S(k) とでもして数列として扱ってみます。
【別解(途中から)】
S(k)=−9k−2
とおくと
S(−11)=97,S(−55)=493
などより
⋯>S(−56)>500>S(−55)>⋯>S(−12)>100>S(−11)
なので, 求める個数は
−12−(−55)+1=44(個)⋯(答)
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